24年12月26日、日本航空(JAL)は、分散型のサービス拒否攻撃(DDoS)攻撃を受け、当日券の販売を一時停止したなど、一部の業務に支障をきたしました。
国内線と国際線の一部に遅延が発生しましたが、同日遅くに通常通りの運行が再開されました。
最近の航空会社はよくサイバー攻撃にさらされています。
24年9月にはドイツの州立航空管制局が攻撃を受け、10月にはメキシコの空港、昨年末にはアメリカン航空が同様の攻撃を受け、業務に支障をきたしています。
DDoS攻撃に対して重要な対策の1つは、ネットワークを細分化することです。
提供しているサービスをできる限り別のネットワークに切り離し運用していくことで、攻撃を受けた箇所のネットワークのみを遮断し、他のサービスへの影響を抑えることができます。
また、DDoS攻撃を受けた際に誰に連絡を行うかを事前に決めておくことも大切です。
従業員も含めて組織全員が理解しておくことで、早期発見につながり被害が広まるのを抑えることができます。
また組織としては、関係者への被害拡大防止や社会的責任を果たすため、速やかに外部へ報告・相談・公表する必要があります。
連絡先への通達が問題の解決よりも遅くなってはいけません。
また、DDoS攻撃は日本航空(JAL)などの大企業にだけ行われるものではありません。
先日のtenki.jpへのDDoS攻撃のように、どの企業に対しても行われるものですので、日頃からのセキュリティ対策が大切です。
中小のECサイト・Webサイトでは、どこまで対策するか
上に書いたネットワークの細分化は、自社でネットワーク機器を持ち、サービスごとに構成を分けられる規模を前提にした対策です。
レンタルサーバやクラウド1台でECサイトを動かしている場合、遮断の判断も操作も提供元の側にあり、運用者が同じ手を取ることはできません。
クマひよ工房のセキュリティ運用・保守では、X.1060をもとにリスク管理体制を決め、CISコントロールズで実装するという順序をとっています。
その中で最初に行うのが、守るべき資産の洗い出しと選別です。中小企業では人もお金も限られるため、あらゆる攻撃に等しく備えるのではなく、対策を取捨選択することになります。
DDoSにどこまで備えるかも、この選別で決まります。受注が止まればその時間だけ売上が消えるECサイトと、そうでないサイトとでは、同じ数時間の停止でも失うものが違うためです。
JALのケースも、攻撃を防ぎきったわけではなく、異常が出ていたルータを切り離して復旧させています。
対策を絞っている以上、絞った範囲の外から攻撃が成功することはあります。そのためクマひよ工房では、100%防ぐことよりも、起きたときに被害を最小限に留めるための緊急対応体制の整備を重く見ています。
サイトが止まったときに誰が気づき、誰に連絡し、お客様に何を案内するか。これはサーバの構成に関わらず、今日決めておけることです。
ただしサイトを預かる側だけで決められるものではないため、経営者や担当の方を含めて認識を合わせておく必要があります。セキュリティ運用・保守で最初の工程を「セキュリティリスクの認識を共有」に置いているのは、このためです。
攻撃の対象になるのが大企業だけではないというのは、実感としてもあります。
保守のご相談をお受けしたEC-CUBEのサーバで、不審なSSHアクセスと、authorized_keysへの見覚えのない公開鍵の追加を見つけて調査したことがあります。規模が小さいサイトでも、攻撃を受けるときは受けます。
EC-CUBEの保守でも、日々の確認はこうした前提で行っています。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20250109/1000112910.html
https://securityonline.info/japan-airlines-hit-by-cyberattack-ticket-sales-halted/?is=f18187d74aadc6d83c87733219735f334b9b21256eadc2487f54af0d2f3f8e2e
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