EC-CUBEのSEO対策を調べると「titleやdescriptionを設定しましょう」という説明が多く見つかります。ただしEC-CUBE 4.1以降は、canonicalや構造化データを標準テンプレートが出力しており、4.0以前とは「足りないもの」が変わっています。
クマひよ工房は、EC-CUBE用のSEO対策プラグインを2系から4.3系まで開発・販売しています。この記事では、プラグインの開発で確認してきたEC-CUBE本体の挙動をもとに、プラグインで足りる範囲と、カスタマイズが必要になる範囲を整理します。
EC-CUBE 4.1以降が標準で出力しているSEO要素
EC-CUBE 4.3の標準テンプレート(default_frame.twig、meta.twig、Product/detail.twig)では、次の要素が設定なしで出力されます。
- description – 「コンテンツ管理 > ページ管理」のメタ設定の値。商品詳細ページでは「商品説明(一覧)」、無ければ「商品説明」の先頭120文字
- canonical – トップページ、商品一覧(カテゴリ単位。ページ送りにも対応)、商品詳細、管理画面で作成したページ
- 構造化データ(JSON-LD) – 商品詳細ページに Product(商品名、画像、価格、在庫状況)
- OGP – og:title、og:description、og:url など
- noindex – 在庫が無い商品の詳細ページと、検索結果が0件の商品一覧ページ
4.0系には meta.twig が無く、canonical、構造化データ、在庫切れ時のnoindexはいずれも出力されません。4.0系のサイトでは、まずこれらを補うところから始めます。
メタ設定の「metatag」を入力すると、そのページのcanonicalとOGPが消えるdefault_frame.twig は、ページ管理のメタ設定にある「metatag」が空のときだけ meta.twig を読み込みます。たとえばトップページに認証用のmetaタグを追加すると、トップページではcanonicalとOGPが出力されなくなります。
「商品詳細ページ」で入力した場合は、すべての商品ページで、構造化データ以外の商品向けの出力(商品ごとのdescription、canonical、OGP、在庫切れ時のnoindex)が消えます。「metatag」を入力したことがあるページは、ソースを表示して確認してください。
標準のままでは足りない3つの点
1. titleが「ショップ名 / ページ名」の順で固定されている
titleタグは「ショップ名 / 商品名」の形で出力され、ページごとに順序や文言を変える設定がありません。ショップ名が長いと、検索結果で省略されたときに商品名が見えにくくなります。
2. 全ページのh1がショップ名になる
標準のヘッダー(Block/logo.twig)はショップ名をh1で出力し、商品詳細ページの商品名はh2です。
3. カテゴリにSEO用の項目が無い
カテゴリはカテゴリ名と階層しか持たず、カテゴリごとにtitleやdescriptionを設定できません。商品一覧ページのdescriptionは、ページ管理の「商品一覧ページ」に設定した1つの値が全カテゴリで共通になります。
在庫切れの商品にnoindexが付く挙動に注意
4.1以降の標準では、在庫が無い商品の詳細ページに <meta name="robots" content="noindex"> が出力されます。季節商品や入荷待ちの商品が一時的に在庫切れになると、その間は検索結果から外れる可能性があります。在庫が戻ればnoindexは外れますが、再び表示されるまでの期間はGoogle次第です。
在庫切れの間も検索からの集客を続けたい商品がある場合は、meta.twig の条件を変更する必要があります。
SEO対策プラグインで補える範囲
クマひよ工房のSEO対策プラグインで対応している範囲は次のとおりです。
- ページごとのtitleタグ、h1タグの設定
- description、keywordタグの設定
- 商品やカテゴリごとのtitleタグなどの設定と、CSVによる一括設定
- 商品検索時の検索ワードをh1やtitleタグに反映
- 商品一覧ページへのcanonicalタグの追加、sitemapの最適化(2系のみ)
前述の「足りない3つの点」は、テンプレートを編集せずに管理画面から設定できます。
ただし、プラグインもEC-CUBEのバージョンごとに対応版が必要です。SEO対策プラグインも、4系・4.2系・4.3系・2系で別の版を出しています。
プラグイン開発で修正してきた点と、導入後の確認項目
SEO対策プラグインを2系から4.3系まで対応させる中で、実際に行ってきた修正です。当社製に限らず、SEO系のプラグインを導入した後の確認項目としても使えます。
1. 商品CSV登録の項目
商品ごとの設定をCSVで一括登録できるようにした後、プラグインの有効時に商品CSV登録の項目がおかしくなる不具合が見つかり、2022年に修正しました。
商品をCSVで一括登録している場合は、プラグインの導入後に、普段使っているCSVで登録を試してください。
2. titleタグの出力方法
HTMLの構文チェックでの評価を上げるため、EC-CUBE 4.2版のリリースに合わせてtitleタグの出力方法を変更しました。
導入後はページのソースを表示し、titleタグが1つだけ出力されているかと、構文チェックでエラーが出ていないかを確認してください。
3. 商品詳細ページでの他のプラグインとの競合
商品詳細ページで特定のプラグインと競合する不具合を、2025年に修正しました。
複数のプラグインを入れているサイトでは、導入後に商品詳細ページの表示と、title、description、canonicalが二重に出力されていないかを確認してください。
EC-CUBE本体のカスタマイズが必要になる範囲
次の対応は、プラグインの設定では変えられず、テンプレートやプログラムの変更が必要です。
- URLの形式 – 商品詳細は
/products/detail/商品ID、商品一覧は/products/list?category_id=カテゴリIDです。URLに商品名やカテゴリ名を含めるにはルーティングの変更が必要で、既に検索結果に表示されているURLを変える場合は旧URLからのリダイレクトも実装します。 - 在庫切れ時のnoindexの条件 – 前述のとおり
meta.twigの変更が必要です。 - 構造化データの拡張 – 標準のProductにはブランドやレビュー評価が含まれず、パンくずリスト(BreadcrumbList)も出力されません。
- カテゴリごとの説明文 – カテゴリに説明文の項目が無いため、商品一覧ページにカテゴリの紹介文を表示するには項目の追加が必要です。
クマひよ工房では、これらのEC-CUBEのカスタマイズを30,000円(税抜)から承っています。
最後に
EC-CUBEのSEO対策は、使っているバージョンの標準テンプレートが何を出力しているかを確認するところから始まります。4.1以降であればcanonicalや構造化データは既に出力されているので、優先して補うのはtitle、h1、カテゴリごとの設定です。
テンプレートを独自に編集しているサイトや、ページ管理でmetaタグを追加したサイトでは、標準の出力が消えていないかも併せて確認してください。