日本を標的にした詐欺メールが急増しています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250520/k10014810361000.html
騙されないための見抜き方やできる対策などを紹介します。
詐欺メールの狙い
記事では証券会社になりすましたものとされています。
証券会社からのメールを装い、偽のログインページへ誘導します。
そこでアカウント情報を入力させることで、不正に他人のアカウント情報を取得することが狙いです。
そして、取得したアカウントで正規の証券会社へログインし、本人になりすまして様々な操作を行うわけですね。
メールを受け取った本人は証券会社からのものだということで、安易に信じてしまいます。
これは「ビジネスメール詐欺」などと呼ばれ、フィッシング攻撃の一種です。
証券会社に限った話ではなく、銀行、やGoogle、Amazonなど、有名どころからと思われるメールを送信し、情報を盗もうとします。
今まではこういったメールは文面に不自然な箇所が多くあり、見抜くのが比較的簡単だったのですが、最近ではAIが活用されているということもあり、わかりにくくなっています。
詐欺メールの見抜き方
1. 送信元ドメインの不一致
例えば、送信者がGoogleだと名乗っているにも関わらず、送信元のドメインを見るとランダムな文字列のドメインになっていて、正規のサービス(google.comなど)のドメインではない場合があります。
こういったケースは詐欺メールであることがほとんどです。
2. 内容の不一致
例えば、製薬会社のファイザーからのメールが届いたとして、内容が「インジェクターモーター」という工業用の機器についてのものであるなど、送信元と内容がちぐはぐになっている場合があります。
(筆者も実際にこのようなメールが届いたことがあります)
これはプログラムなどを利用して自動的に作成しているために起こりうることで詐欺メールです。
最近はAIを利用していることもあり、ここまで露骨なものではなくなってきています。
3. 緊急性のある内容
これは心理的にひっかかりやすいので注意です。
「3日以内にログインしないとアカウントを停止する」や、「二段階認証を有効化してください」など、メールの受信者に行動を強く促す内容のものです。
こういった内容を受け取っても、まずは深呼吸をして落ち着くことが最も大切です。
その後、このメールが詐欺かどうかをここで挙げている他の方法でチェックしてみたり、ブラウザの検索やお気に入りなどからそのサイトにアクセスして、
改めてログインしてみて本当にそういった状況なのかを確認してください。
ただし、メールのリンクからは絶対にアクセスしないでください。
そのリンクは偽のページに誘導するものである可能性が高いです。
4. とにかくボタンやリンクは押さない
これも効果的な対策です。
正規のものであろうが、とにかくメールの文面にある「ボタン・リンク」は押さない。
アクセスしたい時は、ブラウザの検索やお気に入りなどから改めてアクセスする。
そういったルールを設けておくだけでも、詐欺メール対策にかなりの効果があります。
5. そもそもそのサービス使っている？
これも当たり前のことですが、効果的な問いです。
特に「3. 緊急性のある内容」の場合、心理的に焦っていることもあり、こういった問いをする前に行動を起こしてしまうこともよくあります。
深呼吸した後に、この問いをしてみることをお勧めします。
6. 特定の人に向けた内容ではない
メールの内容が特定の人に向けたものではない場合も、詐欺メールの一つのポイントになります。
詐欺メールを送る人は収集したメールアドレスに対して半ば機械的にメールを送信しているため、受信者個人のことを知らないケースも多いです。
そのため、「株式会社 ◯◯様」など、特定の人に向けた内容でない場合は怪しむに値します。
ただし、「株式会社 ◯◯様」とあった場合でも、その個人情報を詐欺メールの送信者が不正な方法で入手していて、それを利用していることも考えられるため、安易に信頼できるものと考えるのもやめましょう。
他の方法と組み合わせて判断してみてください。
対策
基本的な対策としては、偽のログインページに誘導されてしまい、アカウント情報を盗まれたとしても、正規の証券会社などのサービスにログインできないようにすることです。
そのためには、各サービスが提供している「多要素認証（二段階認証）」と呼ばれるものを利用します。
これはログイン時にIDとパスワードを要求するだけでなく、スマートフォンなどの個人の端末や指紋などの生体認証を要求するものです。
これを設定しておけば、アカウント情報だけで本人になりすましてログインすることは難しくなります。
ぜひ設定ができるサービスでは積極的に利用していくことをお勧めします。