AIで画像やプログラムを作れる時代に必要なこと

去年からGPT-3やStable Diffusionを使って、
画像を生成したり、知識を得たり、プログラムを書いたり、音楽を作ったりしています。
これらは、コンピュータにプロンプトと呼ばれる文章で、作って欲しいコンテンツを伝えることで、コンピュータがその文章を解析し、コンテンツを生成しています。

画像を生成するAIは、画像と一緒に使われてる文章を大量にインターネット上から収集し、それらを関連付けます。
そうすることで、例えば「馬の画像」という文章を解析した時に、馬という単語には茶色い画像がたくさん関連付けられているよね。ということで、私たちが想像している通りの馬が生成されることになります。

ちなみに、生成される馬の画像は収集した画像をそのまま使っているわけではありません。
ノイズ(テレビの砂嵐のようなもの)から生成されています。

プログラムを生成するAIに関しても同じようなアプローチで、大量のプログラムコードと、一緒に使われている文章とを関連付けています。
そして例えば「HTMLの宣言部分のコードを書いて」と伝えると、添付画像のようなコードを生成してくれます。

どちらの場合であっても、共通しているのは、
私たちがインターネット上にあげた文章や画像のコンテンツと、そのコンテンツの前後で使われている文章が強い結びつきを持っているということです。

そのため「馬」という文章で画像を生成しようとする場合、AIは「うさぎ」の画像は生成してくれません。
それは私たちがインターネット上で、うさぎの画像と一緒に「これは馬です」などとは書かないからです。
インターネット上にあげる馬の画像の近くには、多くの人は馬という文字を入力します。そのため、AIはうさぎではなく、馬の画像を生成しているというわけです。
これは別にAIが馬という単語の意味を理解しているわけではなく、あくまで統計的なアプローチに従って予測をしているということに過ぎません。

これは見方を変えると、多くの人がやっていることはAIでもできるということでもあります。
しかも、馬は馬でもイラストか実写か、擬人化されているか、競争している馬か放牧されている馬か、など、色々な馬がいるので、生成される馬にバリエーションを出すこともできます。
たくさんのバリエーションを持っている分、私たちよりも優秀かもしれません。

では、こうしたもしかしたら私たちよりも優秀かもしれないAIとの付き合いを私たちが深めていったその先、私たちにはどういった能力が必要なのでしょうか?ようやく本題です。

私はその1つが「構成力」だと思います。

例えば、私の好きなアニメなどは、「物語」が面白さを決める重要な要素となっています。
作画やアニメーションなんかももちろん重要ですが、個人的にはやはり物語、ストーリーが一番感動する要素です。いかに登場人物に感情移入できるストーリーか。それをいつも気にしています。

主人公の身の回りで事件が起こり、そこで主人公はこれから何をすべきかを理解し、目指すべきゴールを見つけます。
そこからゴールに辿り着くための一歩を踏み出しますが、様々な困難が主人公の前に立ちふさがります。
たくさんの紆余曲折がありますが、旅の途中で出会った仲間たちとともに困難を乗り越え、
ゴール達成間近で最大の危機に瀕します。
もうダメかと思ったその瞬間、予期せぬ出来事が起こったり、今までの旅を思い出して奮起するなどして、最大の困難をも乗り越え、ついにゴールに辿り着くことができるのです。

私はこういった物語の構成が大好きで、よくあるプロットです。
AIもある程度はこういった展開の物語を作ることができるでしょう。
でも物語というのは面白いもので、発生する出来事の順番を変えると全く違ったものになるのです。
極端な例ですが、サスペンスでは誰が犯人なのかという情報は基本的には最後まで披露すべきではありません。
私たちはみんなそのように作っているため、AIがサスペンスを作っても、同じように空気を読んでくれるでしょう。

では、私たちができることは何か?

あえて、誰が犯人かをはじめに読者に伝えてみてはどうでしょうか?
統計的なアプローチのAIにはできないことです。
その上で面白いストーリーを作る。こういったことができればAI時代にも能力が評価される人になれるのではないでしょうか。

つまり絵にしろストーリーにしろ、音楽にしろ、プログラムにしろ、教科書はAIが作ってくれる。
じゃあ、教科書的ではない「イカレた構成・マニアックな構成」をどう作っていくか。

そしてついでに言うと、どうすれば、そういった教科書的でない表現を許容したり、賞賛したり、感動したりする世の中の空気にできるか。

当分は、私たちができることをAIが代わりに行うというような置き換えが進んでいくとは思いますが、
その先のことについては、この点を考えていくことが私たちの仕事なのかなと思います。

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フリーランスとして働く、フルスタックエンジニア 初崎 匠のサイト。仕事のことから趣味のアニメーション制作、英語学習など、様々なことを通じて、少しでも多くの人が幸せになれるような価値を提供できるよう挑戦し続けます。